NOGAMI STAFF BLOG
「飛騨の家具展2018~BEAUTY FOR LIFE~」開催中です!
只今、開催中の飛騨の家具展では岐阜県高山市で作られた家具を数多く展示させていただいています!
普段はご覧になって頂けていない家具などもたくさんございます。
家具だけでなく、飛騨の物産展やワークショップなども開催しており、楽しみながら家具を選んで頂けるかと思います。
イベント中は特別展示として「家具ができるまで」を実際の木材や道具を見て触れていただけるようになっております!
今回のブログではそちらをご紹介いたします!
家具作りの最初の工程は「木材作り」です。
チェア、テーブル、ソファ、キャビネット・・・
多くの家具には木材が使用されています。
良い木材を作ることこそが良い家具を作る土台となるのです。
「木材を作る」とは木を乾燥させることです。
切ったばかりの樹はとてもたくさんの水分を含んでいます。
それをそのまま家具として使用してしまうと空気中との水分量との違いによりに亀裂が入ったり変形してしまったりするのです。
そのため木を乾燥させて木材にする必要があります。
今回のイベントでご協力していただいている日進木工さんでは自社で天然乾燥と呼ばれる方法で気を乾燥させています。
天然乾燥ではスライスした木と桟と呼ばれる棒を重ねた状態で天日で一年をかけて乾燥させます。
長い年月をかけてじっくりと水分を抜くことで木が締まり、粘りのある固い木材になるのです。
昔は天然乾燥のみを行った木材でも問題なく家具にできたそうなのですが、
近年は住宅の気密性が上がったため天然乾燥だけでは乾燥が不十分になってきたため天然乾燥ののち人工乾燥を行います。
人工乾燥では水を使って木を乾燥させるのです。
不思議ですよね。木材は表面を湿らせることによって中まで均等に水分が抜けるのです。
これらを自社で行うメーカーは日本でも数社の限られたメーカーのみでほとんどのメーカーは「木材」を仕入れて家具を作っているのです。
自社で木材を作り匠の目で選定し特徴ごとに使い分けることでしっかりとした家具作りの土台ができるのです。
家具は一つの丸太から削りだして作るものではありません。
板や角材を加工し組み合わせることで組み上げていきます。
木材の加工で飛騨の伝統の技が光るのが「曲げ木」と呼ばれる技法です。
読んで字のごとく木を曲げる手法のことです。
木材を蒸し、型にはめたりたりプレスすることによって板や棒を曲線に加工します。
例えばこちらのチェアの脚をご覧ください。
背もたれから足まで一本の木が緩やかに曲がっています。
この形を作るのがこちらです。
蒸した棒をセットし、曲げた状態で再度乾燥させることで削り出したかのような滑らかなラインを生み出します。
そしてこちらの背もたれも曲げ木で作られています。
厚い板を曲げて作られた背中にフィットする背もたれを作るのはこちらです。
この緑の方に沿って曲げ、曲げた状態で固定し乾燥させることで背中をしっかりと支えてくれる背もたれを作っています。
曲げなくても削れば同じ形は作れます。
しかし曲げるには理由があるのです。
削り出して形を作る場合余分な部分が多くなり無駄な木材を使ってしまいコストが高くなってしまします。
さらに木の繊維が分断されるため強度面も低下し見た目も荒々しくなってしまいます。
曲げ木は決して簡単ではなく手間もかかりますが、無駄な木を使わず繊維を分断しないため強く綺麗に仕上がるのです。
木材の加工が終わると組み上げていきます。
日進木工では組み上げの際は宮大工のような組み方を随所に使います。
組み合わせる二つにそれぞれ凹と凸の面を作り組み合わせる「ホゾ組」という手法です。
ホゾ組とよく比較されるのが「ダボ組」です。
組み合わせる二つに凹を作り、その二つを木片で結合する方法です。
「ダボ組」は比較的に簡単に作れますが「ホゾ組」は確かな精度が要求されるため手間がかかります。
しかし、ホゾ組の場合は木の繊維が分断されなため強度を強くすることが可能なのです。
組み合わせると違いの判らない二つですが、永く使うことを念頭を置いたときにその違いが出てきます。
より強く 永く使って頂くための構造をしています。
イベントの副題にもなっている「美しさ」を作る家具製作の工程をご紹介いたしました。
日進木工の家具には見る人を感動させてたり、驚かせるような彫刻的な美しさはありません。
しかし、使う人の想いながら作ったからこそのやさしさや温かみがあり機能的な美しさを備えているのです。
是非、貴方が使いたいと思える家具を探しにいらしてください。
今回も長くなってしまい申し訳ありません。
しかし、まだまだお伝えできていないことがたくさんあります・・・
イベント中の土曜日・日曜日は日進木工からより詳しい方がお見えになりますのでご興味がある方はお話をしにいらしてください!
今回もお付き合いいただきありがとうございました。